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紅茶の基礎知識

紅茶とは

茶の葉に含まれている酵素によって、葉を酸化醗酵させたものです。その主な酵素は、ポリフェノール
オキシダーゼといわれています。
茶は植物学上ツバキ科に属する永年性の常緑の灌木で、学名をカメリア・シネンシス(Camellia sinensis (L.) O. Kuntze)といいます。
*Camellia=ツバキ sinensis=ラテン語で“中国の”の意。最初のお茶の木は中国で発見された。

紅茶の製造方法

茶樹 ・・・さし木で苗をつくり、本畑に移します。インドやセイロンでは、高温多湿で成長が早いので、1年半で本畑へ移し、3年で摘み始めます。茶樹の経済寿命は約50年です。

  1. STEP 1摘採(てきさい)茶摘み Picking

    女性のやさしい手指で、新しく生育してきた柔らかい芯芽と2枚の若葉だけを手摘みします。(一芯二葉)

  2. STEP 2萎凋(いちょう) Withering

    摘み取った若葉は、麻布で出来ている萎凋棚や萎凋槽に入れられ、15~20時間程「陰干し」されます。ここで葉の水分は約50%蒸発します。

  3. STEP 3揉捻(じゅうねん) Rolling

    水分が減ってしおれた茶葉を揉捻機にかけ、2時間位揉みながら葉の組織や細胞を破壊して、酸化酵素の働きを活発にします。

  4. STEP 4玉解き(たまどき) Roll breaking

    充分揉まれボ-ルの様になった茶葉の固まりをほぐし、熱をさましながら、葉の組織を更に柔らかくします。

  5. STEP 5醗酵(はっこう) Fermentation

    玉解きされた葉を、高温と多湿(25~26℃、相対湿度95~ 100%)の部屋に放置すると、酸化酵素の働きで、葉は鮮やかな赤銅色に変わり、紅茶特有の芳香を発します。

  6. STEP 6乾燥 Firing

    乾燥室から取り出された紅茶は、100℃前後の熱風で、水分が3%位になるまで乾燥されます。この温度で酸化酵素が分解され醗酵がとまり、黒褐色の「荒茶」が出来上がります。

  7. STEP 7等級区分 Grading

    乾燥が終わった紅茶は、ふるい分けて形を揃えられ、余分なものを取り除かれます。仕上げられた紅茶は、葉の大小または形によって分類されます。

紅茶の成分

タンニン
紅茶の水色と味(渋味、滋味、コク)に最も関係があり、タンニンの多い紅茶ほど良品質とされています。
カフェイン

紅茶のコクや味の深みを増すものと考えられています。

  • *紅茶とコーヒーのカフェイン含有量は、茶葉と挽き豆で比較すれば100g中2.8g対2.2gと紅茶のカフェインが多いのですが、浸出液ではコーヒーの方が多くなります。
アミノ酸
茶葉に含まれる窒素化合物のうち、水溶性のアミノ酸は紅茶液に溶け出して、滋味(うま味)を付与します。しかし、緑茶に比べてその含有量は少なく、緑茶がアミノ酸のうま味と言われるのに対し、紅茶はタンニンの味といわれる所以です。
フッ素
微量ながら紅茶に含まれ、湯によく溶けだします。

茶の種類

同じ茶樹から生まれた葉が、製法の違いによって紅茶にも緑茶にもなります。緑茶は摘んだ生葉を熱処理して、葉の醗酵を止めて作ります。それに比べ、紅茶はまず生葉を萎凋(しおらせる)して醗酵が進みやすい状態にし、その後、揉捻(もみほぐす)や醗酵の段階を経て出来上がります。このことから緑茶は「不醗酵茶」、紅茶は「醗酵茶」と呼ばれます。その中間にウーロン茶等の「半醗酵茶」があり、紅茶と同じように萎凋し醗酵させますが、その醗酵を途中で止めてしまい、その時の醗酵の度合いによって様々な種類が出来上がります。

世界の3大銘茶

品質の優れた紅茶は、概して高地(海抜1500m以上)の霧の深い山地で栽培されます。
高地の霧が茶葉に特有の香気を与えるといわれます。

インド・・・ダージリン
スリランカ・・・ウバ
中国・・・キーマン

*高地産=ハイ グロウン ティー
インド ヒマラヤ山麓 2100mのダージリン
南インド 西ガッツ山脈のニルギリ
スリランカ ウバ、ヌワラエリア、ディンブラが3大ハイ グロウン ティーの産地として名高い。
(標高1200m以上の産地 ハイ・グロウン、1200~600m ミディアム・グロウン、600m以下 ロウ・グロウン)

紅茶の等級

等級(グレイド)とは、仕上げの段階で篩の目(メッシュ)によって分類された仕上茶の形状と大きさを示すものであり、 品質の善し悪しを表すものではありません。

オレンジ・ペコー
ブロークン・
オレンジ・ペコー
BOPファニングス
ファニングス
CTC茶

リーフ グレイド

FOP(フラワリー オレンジ ぺコー)
オレンジ ペコーの中でも特に若い芽の芽先の白毛(チップ)が多いもの。
OP(オレンジ ペコー)
若い芽と葉からなり、細く、よくよりがきいた大きめのもの。水色はやや薄いが、風味は優れている。
P(ペコー)
やや固くなった葉からなり、短く太めによられたもの。香りも水色もややオレンジ ペコーより薄い。
PS(ペコー スーチョン)
ペコーよりさらに硬い、葉柄や基部分の葉からなる。香りも水色も弱い。

ブロークン グレイド

FBOP
(フラワリー ブロークン オレンジ ぺコー)
オレンジ ペコーの中でも特に若い芽の芽先の白毛(チップ)が多いもの。
BOP(ブロークン オレンジ ペコー)
若い芽と葉からなり、細く、よくヨリがきいた大きめのもの。水色はやや薄いが、風味は優れている。
BP(ブロークン ペコー)
ペコーを切断したもの。ブロークン オレンジ ペコーより若干サイズ大きい。水色はやや薄い。増量用として使われる。
BPS(ブロークン ペコー スーチョン)
ペコー スーチョンを切断したもの。ブロークン ペコーよりやや大きい。香りも水色も薄い。増量用として使われる。

ファニングス グレイド

FBOPF
(フラワリー ブロークン オレンジペコー ファニングス)
BOPF
(ブロークン オレンジ ペコー ファニングス)
ブロークン オレンジ ペコーよりさらに小さい。水色が濃く、浸出も早い。ブレンド用として使われる。
PF(ペコー ファニングス)
ペコーを切断したもの。ダストを除くと最も小型で、水色やや弱い。増量用として使われる。
F(ファニングス)
ペコー スーチョンを切断したもの。ブロークン ペコー スーチョンよりさらに小さく、ダストより大きい。

ダスト グレイド

D(ダスト)
最も細かく1mm以下の粉状の茶葉。

CTC茶

ティー バッグに使われている茶葉の多くはCTC製法によるものです。CTCとはCrush、Tear、Curlの略で、短時間で茶成分の抽出ができるように、最初から細かい茶葉を作る製法です。
従って「CTC茶」には前述のリーフ スタイルの茶はありません。

リーフの呼び名

お茶の葉は、右の図のように
それぞれ名前が付けられて表現されることがあります。

世界の主要産地

主な生産国は、以下の通りです。

  1. 1.インド
  2. 2.中国
  3. 3.スリランカ
  4. 4.ケニア
  5. 5.トルコ
  6. 6.インドネシア
  7. 7.日本

紅茶のクオリティ シーズン

熱帯の茶生産地では年に何回か茶摘みが行われ、出来上がる紅茶の品質・特徴も季節により違いがあります。そのうち最も良質の茶葉が採れる季節を、クオリティ シーズンと言います。(ベスト シーズンと言うのは収穫量が最大の季節のことです。)

主要産地のクオリティ シーズン

インド
ダージリン:5~6月
(セカンド フラッシュ)
アッサム:5~6月
(セカンド フラッシュ)
ニルギリ:1~2月
スリランカ
ウバ:8~9月
ディンブラ:1~2月
ヌワラエリア:1~3月
ケニア
1~2月
7~8月
インドネシア
ジャワ:8~9月
スマトラ:6~8月
中国
キーマン:8月
海南紅茶:3~4月、6~7月

紅茶のブレンド

市販されている紅茶は全てブレンド茶と言えます。産地名を冠したクオリティ シーズンものの紅茶でも、その性質と特長ある香気を生かし、また価格が高くならないよう配慮しながら、幾つかのエステート(農園)の原料茶をブレンドしています。

ブレンドの目的

  1. 1.品質を安定させ、1年を通じて味が変わらないようにする。
  2. 2.相場に応じて原料茶の代替を行い、価格を安定させる。
  3. 3.消費地の水質に合わせて、更に良い味が出るように作る。

銘茶アール グレイの魅力

トワイニング紅茶は100種に及ぶブレンドを販売し、世界90カ国以上に輸出しています。
その中でも、ほとんどの国で売上No1を占めるのが<アール グレイ>。この由緒あるブレンドの秘伝のレシピを正しく継承し、いつも最高の風味で提供しているからです。

アール グレイのロマン

1830年代、グレイ伯爵(アール グレイ)が英国首相(1830-34在任)だった時に、中国へ派遣した外交使節団の一員が偶然に中国の官吏の命を救うことになった。官吏はこれに感謝して、魅惑的な香りの紅茶とそのレシピを首相への贈り物として持たせた。グレイ伯爵はその紅茶を大層気に入り、おかかえの茶商に作らせ、またブレンドに自分の名を冠することを許したという。

トワイニングのアール グレイ EARL GREY

スモーキーな香りを付けたタイプのアール グレイが正統派として数社から出ているが、オリジナルに忠実なのは、ベルガモットという柑橘から搾った香油を吹き付けたトワイニングのもの、更にはグレイ伯爵が初めに指名した茶商こそ、トワイニングだったという説が最近は有力になっている。(しかし真実は歴史の霧のなかに)

トワイニングのアール グレイは…

  • 地中海産の柑橘類・ベルガモットの、自然でさわやかな香りが特長の紅茶です。
  • アイス ティー、ミルク ティーにぴったりです。ミルクと合わせると、香りの良さが引き立ち、まろやかな味がお楽しみいただけます。また、アイス ティーにしても、紅茶の色がにごることなくきれいで、さわやかな香りも楽しめます。

レディグレイ LADY GREY®

トワイニングだけのオリジナル ブレンド「レディ グレイ」

『レディ グレイ』は、世界的に人気の高いトワイニング「アール グレイ」をベースに、オレンジ ピール(果皮)、レモン ピール(果皮)、そしてブルーの色が美しい矢車菊の花を加えました。アール グレイとは一味違う、フルーティで爽やかな風味が印象的なブレンドです。

2001年秋の発売以来、大人気のブレンド

もともと先行発売されていたヨーロッパ各国では大好評だった「レディ グレイ」。2001年秋に日本でデビューすると、その発売を待ち望んでいた方々から、スーパー等の店頭やTVコマーシャル、雑誌等で初めて知った方々まで幅広く厚い支持を戴き、一気にトワイニングの中でもトップ クラスの人気ブレンドとなりました。トワイニングが贈る、今までにない新しいおいしさの紅茶です。

プリンス オブ ウェールズ PRINCE OF WALES

英国皇太子のためのパーソナル ブレンド

1921年にジョージ五世とマリー王女の長男である皇太子(のちのエドワード8世)のために作られたパーソナル ブレンドです。トワイニング社が皇太子よりその名をブレンド名に付ける栄誉を賜りましたが、1936年に皇太子が即位された時をもって英国市場からこのブレンド名は消えました。現在では海外市場でのみ、このブレンド名の使用が認められています。

おいしい紅茶のいれ方

紅茶は、いれ方次第で香りよくおいしくなります。ちょっとしたコツを覚えて、紅茶の楽しみ方を広げてください。

ホット

  1. POINT

    • ポットを使いましょう。
    • 茶葉はティー スプーンで正確に計りましょう。
    • 沸騰直後の熱湯を使いましょう。
    • しっかりと蒸らしましょう。
  2. STEP 1

    ポットとカップを湯通しし、あらかじめ温めておきます。

  3. STEP 2

    ポットに人数分の茶葉を入れます。茶葉の量は、カップ1杯あたりティー スプーン1杯(2.5~3g)が目安です。茶葉の量は、オレンジ ペコなどの大きめの茶葉なら山盛り1杯、ブロークン タイプの細かい茶葉なら中盛り1杯を目安に。

  4. STEP 3

    ポットに沸騰したお湯を杯数分注ぎ、すぐにフタをして蒸らします。細かい茶葉は2分半~3分、大きい茶葉は3~4分が目安です。

    • おいしい紅茶をいれるには、温度を下げないことがポイント。ポット内の温度を下げないよう、「ティー コジー(布製の保温カバー)」をかぶせることをオススメします。
  5. STEP 4

    ポットの中をスプーンで葉をおこすように軽く混ぜ、ポットからカップへ、茶こしを使って紅茶を注ぎ分けます。
    濃さが均一になるようにすべてのカップに平均的に注ぎ分けます。「ベストドロップ」と呼ばれる最後の一滴まで注ぎましょう。

アイス

アイス ティーづくりのコツは、いれる時の濃さと冷やし方にあります。

  1. POINT

    • お湯の量はホットの場合の半分に減らして、濃いめの紅茶をいれましょう。
    • 蒸らし時間は、やや短めにしましょう。
    • 甘みをつけたい場合は、グラスに注ぐ前のホット ティーの段階で、砂糖を加えましょう。
    • 氷たっぷりのグラスに注いで一気に冷やしましょう。
  2. STEP 1

    あらかじめ温めておいたポットに、人数分の茶葉、またはティー バッグを入れ、沸騰したてのお湯をホットの場合の半分量注ぎます。
    すぐにフタをして、そのまま蒸らします。(2倍の濃さの紅茶をいれる)

  3. STEP 2

    甘みをつけたい場合には、ここでグラニュー糖を入れてよくかきまぜて溶かします。

  4. STEP 3

    砕いた氷をグラスにたっぷり入れておき、熱々のホット ティーを注いで一気に冷やせば出来上がりです。
    急激に冷やすことにより、味と香りを豊かに保ち、アイス ティー特有の濁り(クリーム ダウン)も出にくくなります。

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